じゅん矯正歯科クリニックのじゅんじゅんです。
先日ある患者さんから
「痛みには少々我慢するので、早く歯が動くようにどんどん力をかけちゃって下さい!!!」
と言われました。
いざ矯正治療を始めるとその瞬間から装置が外れる日を指折り数えてしまう…
というのが患者さんの心理のようです。
歯に強い力をかければ歯は早く動くか?
答えは×です。
歯を動かすための矯正力には適正な大きさがあり、
例えば犬歯(糸切り歯)だと200~300gだと言われています。
適正な力は歯によって異なりますが、これは歯根面積によります。
それ以上に強い力をかけると、骨が変性を起こして、
歯ぐきが下がったり、歯が抜けたりする原因になりかねません。
一般的に歯がスムーズに動くためには
適正な力をできるだけ持続的にかけるのが理想だと言われています。
持続的な力というのは、力の減少が比較的緩やかな力のことです。
要はジワーッと長く効くのがいいんです。
矯正治療は大体3~6週間に1度ですが、
それは治療の時に矯正力を加えたら、あとは歯が動くための
生体反応が起きるのを待つ必要があるからです。
すなわち力を加えた側の骨が溶けて、反対側の骨が新たに添加される、…
というのを待つ時間が必要なのです。
傷心や悩み、困難など、いろんなことを解決してくれる「時間」ですが、
矯正治療においてもとても重要な要素なのです。