歯科医師の仕事は、もちろん患者さんの治療に関することがいちばんですが、それ以外にもクリニックを開業していれば、経営やスタッフ育成などに関することも院長としての重要な仕事になりますし、歯科医師会や所属している学会や団体での仕事を受け持つこともあります。
対外的な仕事は基本的に診療以外の時間を費やすことになることから、敬遠する先生も少なくないようです。
でも、他の地域で同じ矯正歯科臨床に従事している先生や、矯正歯科以外の一般歯科など他科の先生と情報交換ができることで学ぶことが多くありますし、結果的にクリニックの患者さんの治療に還元できることも多いのように思います。
この2年間、公益社団法人日本臨床矯正歯科医会の広報担当理事を務めていたので、診療後や休診日にもその会務に追われていましたが、6月14、15日に行われた例会を以て任期を終えたので、これからはこのブログももう少し頻度を上げて更新していこうと思っているところです。
さて、その6月例会で「この1年間の広報活動の軌跡」というタイトルで講演をさせていただきました。
日本臨床矯正歯科医会では、安心・安全な矯正歯科治療について、また矯正歯科治療が専門性の高い治療であることについて、様々な啓発活動を行っており、その1年間の活動内容についてお話しさせていただきました。
その中で、「広報」という言葉についておさらいしたのですが、
「官公庁・企業・各種団体などが、施策や業務内容などを広く一般の人に知らせること。また、その知らせ。」
であると同時に
「Public Relations(パブリック・リレーションズ)」の訳語で、
広報活動とは
「さまざまなステークホルダーと相互にコミュニケーションを取り、社会(パブリック)との良好な関係を築く営み」であると紹介しました。
患者さんとしっかりコミュニケーションをはかって、信頼関係を築くことこそ、矯正歯科治療における広報活動と言えそうです。
「広報」というと、何か特別なことのような気がしますが、私たちが日々クリニックで患者さんからの質問を受けたり、それに対してできるだけ分かりやすく説明したり、そういうことの一つ一つも実は広報活動につながるんだろうなと思います。
クリニックに来られる患者さんに丁寧に接することが、社会全体の矯正歯科治療の正しい理解につながるのだと思うのです。