矯正歯科治療を希望する患者さんの中には、口元や横顔といった「見た目」が動機になっている方が多くいらっしゃいます。
矯正歯科治療で奥歯や前歯の咬み合わせを改善すると、自然と口が閉じやすくなったり横顔がスッキリしたりします。
このように、矯正歯科では審美性が改善させることはもちろん、その根本となる歯や身体の健康を第一に考え、咬み合わせを重視します。
患者さんそれぞれの骨格や歯の大きさ、歯が並ぶ部分の骨の厚みなどに合わせて歯並びと咬み合わせを完成させるため、「口もとを引っ込めたい」と患者さんが希望しているからと言って、むやみやたらに前歯を下げたりするわけではありません。
治療前に行う検査のデータを分析し、その結果に基づいて治療後の前歯の前後的な位置をゴール設定し、そのために必要なことを治療計画として立案します。
「口もとを引っ込めたい。でも口もとが引っ込み過ぎないか心配…」と気にされる方も多くいらっしゃいますが、前述のような理由で、その方の骨格や歯の大きさに合わせてバランスのよい骨の上に歯を並べていくので、その結果、バランスの取れた口もとになるのです。
SNSなどには真偽不明な情報がたくさんあるようですが、それらに惑わされるよりも、目の前の患者さんの笑顔のために真剣に治療方針や計画を考え、治療に取り組む矯正歯科医を信用していただいた方が、治療もうまく進むと思うのですが、現代の情報化社会では難しいのでしょうか…
↑これは公益社団法人日本臨床矯正歯科医会が発刊しているブックレット「出っぱった口もとが気になるときのおはなし」の表紙画像です。
今年の6月まで広報理事を担当していた時に、このブックレットの制作に関わらせていただきました。
当院でも該当する患者さんには配布していますので、口もとが気になる方はご相談下さい。