今年7月より印刷されるお札のデザインが一新されます。
現在野口英世の肖像画が描かれている千円札には、ペスト菌の発見や破傷風の治療法開発など、感染症に対する医学発展に大きな功績を残した北里柴三郎が印刷されることになりました。
彼は「日本の細菌学の父」として広く知られていますが、それと同時に「医の基本は予防にあり、医者の使命は病気を予防することにある」という強い信念を貫いた人物でもあります。
さて近年、フレイルという言葉をよく耳にするようになりました。
これは2014年に日本老年医学会が提唱した言葉で、加齢によって心身が衰えたり機能が低下する状態であるものの、適切な介入や支援によって健常な状態に戻ったり、生活の質を回復できたりすることができる状態を表します。
治療や処置が必要な病気になる前段階で適切に介入・支援をすることは、病気の予防を意味し、健康寿命を延ばすことにもつながります。
このフレイルのさらに前段階として最近注目されているのが「オーラルフレイル(口腔の虚弱)」という状態です。
食べることは何よりも生きることにつながりますが、その食べるための機能(噛む、味わう、飲み込むなど)が低下すると、食事の際にうまく飲み込めずにむせたり、食べこぼしたりするような症状が見られます。これが「オーラルフレイル」です。
他にも噛みづらくなったり、滑舌が悪くなったり、口の中が乾燥しやすくなったり、…といった症状が見られます。
このオーラルフレイルに対処し、予防することは全身の健康にもつながるため、歯科界のみならず医学界からも大きな注目を集めています。
ではこのオーラルフレイル、どうすれば防げるのでしょうか?
これには日々のご自身の心掛けがとても大切です。
しっかり歯を磨くだけでなく、噛み応えのある食べ物を選んでしっかり噛む、舌をよく動かして唾液の分泌を促す、はっきりと話す、…などくちびるや頬、舌の筋肉が衰えないように動かすように心がけることがとても有効です。
とはいえ、自分自身で口の中の変化に気付くのは難しいものです。
だからこそかかりつけ歯科を定期的に受診して、虫歯や歯周病を予防するだけでなく、口の中全体のメンテナンスを続けることがとても重要なのです。
このオーラルフレイルについては、M-1王者のミルクボーイが分かりやすく教えてくれています。
大阪府歯科医師会のホームページで見ることができますので、ぜひご覧下さい。
健康な生活を過ごすために、北里柴三郎が大切だと唱えた予防について、ぜひかかりつけ歯科と一緒に取り組んでいきましょう!